辛辞苑
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地球と未来
アップサイクル - あっぷさいくる
アップサイクルとは、捨てたいモノをあたかも高尚な芸術品に仕立て上げ、自らの環境意識を誇示する行為である。廃材を減らすという大義名分の裏で、実際には不要な手間とコストを増産している。つねに「地球のため」と唱えつつ、自宅の倉庫は不要品で溢れかえっている。最終的には、環境に優しいはずのプロジェクトが、自我満足と二酸化炭素排出量アップの二重奏と化すのが常だ。
バーゼル条約 - ばーぜるじょうやく
バーゼル条約とは、廃棄物に出自証明書を求める国際パーティへの招待状のようなものである。見知らぬ国からやってくる有害ゴミに対し「うちにはそんなの受け取りません」と優雅に断るための律儀なルール集。規制と許可の書類の山は、環境保護を唱える者たちの書斎を散らかしつつも、廃棄物たちを地球の裏側へ逃がす口実をいくつも生み出す。署名国は善意の使者を気取る一方で、実際には有害物質の流れをどこかでこっそり見逃す金融ブラックボックスを築き上げる。環境の未来を守る名目で結ばれたはずの条約は、いつしか利害調整と書面の盛り上がりによって、活字になっただけの「紙の守護神」と化している。
パーマカルチャー - ぱーまかるちゃー
パーマカルチャーとは、自然との共生を謳いながら、実際には労力と時間という名のコストを際限なく要求する壮大なエコ・ファンタジーである。自称エコ戦士たちは、自家製コンポストや雨水タンクを自慢し、地球への献身をランチタイムの雑談ネタに変える。土や植物と調和すると唱えつつ、雑草や虫との壮絶な戦いを余儀なくされるのはお約束の一幕。全てを循環させるという理想の裏側では、DIY精神が暴走して庭がジャングル化し、近隣住民が生き物図鑑を片手に集結するかもしれない。持続可能性とは美しく響く言葉だが、その現場は誰も語りたがらない苦行の祭典なのだ。
アンブレラ種 - あんぶれらしゅ
アンブレラ種とは、砂埃の舞う政策会議で最も派手な動物を選び、傘のごとき存在感で生物多様性を守るという迷信的プロジェクトである。選ばれし象や虎は、広告塔として華々しく取り上げられ、その陰で実際の生息地は無視されがちだ。生態学者の名を借りた政治的装置は、保全という美辞麗句の下、保護行為よりも演出に熱を上げる。傘が風でひっくり返るように、真の保全成果もまたしばしば裏返る。
キーストーン種 - きーすとーんしゅ
キーストーン種とは、生態系の舞台裏でこっそり支配力を振るう影の支配者のような存在である。たった一つの種の繁栄や衰退が、周囲の生物たちに連鎖反応的な大騒ぎを引き起こす。種というより生態系のピエロでありながら、誰もそのピエロを笑えない。保護の話題になるたびに、自分がエコロジストのアイコンとして祭り上げられる名誉を享受する。
ピークオイル - ぴーくおいる
ピークオイルとは、地球が供給できる石油の量を人類の欲望が先回りし、その先行きを嘆くための流行語である。産油国の政治的駆け引きと投資家の悲観論を跳梁跋扈させ、温室効果ガス削減への本気度をあいまいにする魔法の呪文でもある。新聞の見出しを彩る割に、それを実感できる日は決して近づかない永遠の仮想敵。人々はこの言葉に不安を焼き付け、代替エネルギーの絵空事を夢見るのがお約束だ。結局、地球規模の資源問題の前では、ピークオイルとは人類の想像力のピークにほかならない。
ビークルトゥグリッド - びーくるとぅぐりっど
ビークルトゥグリッドとは、電気自動車を家庭や電力網のバッテリーとして扱い、“走る貯金箱”を自称するシステム。その美談は自家発電のエコロジー顔と、電気料金を巧妙に“最適化”する都市伝説を同時に生み出す。不安定な再生可能エネルギーをカバーするといいつつ、結局は需要ピークにユーザーのバッテリーを吸い上げるハイブリッド版“ゆりかごから墓場まで”。市場と技術の狭間で、便利さと搾取が華麗に逆回転する未来のおもちゃ。
インパクト投資 - いんぱくととうし
インパクト投資とは、地球と未来という壮大な名目のもとに、投資家の財布と社会への良心を同時に刺激する一石二鳥の魔法である。資本の流れを利用して世界を救うつもりが、実際にはマーケティング部門の金科玉条と化すことが多い。「利回り」と「善意」の二大教義を掲げるが、最終的に優先されるのは常に前者だ。社会的インパクトはしばしばパワーポイントのスライドショーで飾られ、実態は収益計算の隣にひっそりと佇む添え物にすぎない。投資先企業を見守る投資家の表情は、慈善家というより利益追求者そのものだ。
インフラレジリエンス - いんふられじりえんす
インフラレジリエンスとは、地震や洪水などの自然災害を優雅に素通りしようとする都市の社交的嘘。多くの場合、計画書とスライド上では揺らがない概念として宣言されるが、現実世界では電柱が倒れ、水が溢れ、都市機能が秒単位で瓦解する。『備えよ常に』は美しい言葉だが、実際は予算不足と後回し文化の隙間を縫って細々と息をする悲哀の物語である。使われるのはスローガンとプレゼン資料ばかりで、肝心の土木作業員やエンジニアは災害のたびに神頼みと応急処置を繰り返す。
ヴィーガン - びーがん
ヴィーガンとは、動物製品をすべて拒絶しながら、肉食派の焼肉パーティーへの参加を熱心に誘う趣味のこと。菜食の理想を語る一方で、コンビニのサラダに隠れた動物性添加物を探し回る探偵のような注意力を発揮する。倫理的選択を謳いながらも、ヴィーガン界隈の新しいレシピ競争では最も情熱的な評論家となる。社会的美徳を背負いつつ、レストランで歴戦のグルメ達に献身的に菜食メニューを勧める宣教師でもある。
ウォータークレジット - うぉーたーくれじっと
ウォータークレジットとは、水という生命線を株券のように売買し、人の渇きを市場の思惑で測る文明の新しい証書である。限りある資源を金融商品の香りで包み込み、エコロジーの美名のもとに投機の舞台へと送り込む。水を大切にするはずが、むしろ水をめぐる争奪戦を人為的に煽る皮肉に満ちたシステムだ。使用量を減らせば称賛され、取引を重ねれば資産が膨らむ、逆説的な功績主義の象徴ともいえる。
ウォーターフットプリント - うぉーたーふっとぷりんと
ウォーターフットプリントとは、企業が自社の環境配慮をひけらかす指標という体裁をとった自己満足度テストである。水の消費量を算出し、まるで地球を救う計画であるかのように声高にアピールする。実際には、数字を都合よく操作して責任を他に転嫁するためのツールに過ぎない。環境保護の名の下に、無意味なデータ遊びと責任逃れがはびこる魔法の概念。使い手によっては、企業ブランドを粉飾するための演出小道具と化す。
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