辛辞苑
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パブリッククラウド - ぱぶりっくくらうど
複数の利用者を一つの巨大な仮想倉庫に放り込み、それぞれのデータを他人のパフォーマンスとごちゃ混ぜにする魔法の仕組み。自称スケーラビリティと呼ばれる伸縮自在のゴムバンドは、ピーク時にちぎれるのが宿命。費用対効果を謳うが、使えば使うほど請求書だけが指数関数的に膨れ上がるケルトの呪文。名前だけはクラウドだが、その正体は見えざるサーバーダンジョン。
パブリックコメント - ぱぶりっくこめんと
官僚が市民の声を聞く振りをする儀式。意見を募り、最終的には何も変えないための時間稼ぎ装置。不満を吸収しつつ、建前上の民主主義を演出する社交ダンス。透明性という名の飾りをまとった官製ショー。
パブリックスピーキング - ぱぶりっくすぴーきんぐ
パブリックスピーキングとは、人前で堂々と話しているように見せかけ、実は心臓が早鐘を打つ錯覚を楽しむ儀式である。聴衆の視線を浴びながら、ポーカーフェイスとスライドの後ろに隠された混乱を巧みに隠蔽する。自己啓発書が謳う「自信」とは、マイクの向こう側で息を止め続ける技術に他ならず、拍手は安堵の合図であり哀れみの賛辞でもある。最後に「ご清聴ありがとうございました」と呟いた瞬間だけは、一瞬だけ人間に戻れる魔法の呪文となる。
バラエティ - ばらえてぃ
バラエティとは、司会者の妙なテンションと芸人の無様なリアクションを肴に視聴者の時間を飲み込む番組の総称。何でもありと称しつつ、結局は金の匂いが漂う企画と切り貼りされたリアクションの寄せ集めでしかない。出演者の素顔を暴くと謳いながら、最終的には一段高い演出の脚本家こそが真の主役であることを明かす芸術形態。
バラエティ番組 - ばらえてぃばんぐみ
バラエティ番組とは、ありとあらゆる軽薄さを一堂に会し、視聴者の注意を永遠に浮遊させる無重力の娯楽空間である。出演者は“素のリアクション”を演じ、カメラの前で笑いを刈り取られる生贄となる。司会者は台本という檻を操り、刹那的な盛り上げを錬金術のように生成する。スポンサーのロゴは神殿の柱のごとく並び、消費欲という名の供物を要求する。視聴者は嘲笑を飲み込みながらも拍手を送り、共犯関係に身を委ねる。
ハラスメント - はらすめんと
ハラスメントとは、権力という名の杖で他者の尊厳を叩きつぶすスポーツである。加害者は巧妙に立場を利用し、被害者に自己嫌悪を贈呈する。被害者は謝罪と改善を求められるうち、自らが加害者の言い分を内面化してしまう。制度と正義は弱者を監獄に閉じ込める方便として機能する。声を上げれば二次的被害が待つ、不条理な強迫観念を生む装置だ。各種ポリシーは美辞麗句で飾られた拷問の日程表に過ぎない。被害者の叫びは正義の鐘ではなく、また別の鎖が巻きつく合図となる。
ハラスメント - はらすめんと
ハラスメントとは、立場の優位を盾に他者の心に小石を投げ続ける行為である。義務ではない『注意』を装い、実は黙示の罰をチラつかせる。被害者は言葉の刃でじわじわと追い詰められ、周囲は『困っただけ』と見なして見て見ぬふりを決め込む。被害者の声はやがて小さくなり、加害者は自らの正当性を謳い上げる。これこそ組織の平和という名の温泉に漂う不穏な浮遊物である。
パラダイム - ぱらだいむ
パラダイムとは、人類が安心を求めるあまり作り出した思考の檻のこと。新しい用語を掲げれば、既存の問題も魔法のように消え去ると信じられている。学者はパラダイムを振りかざし、自らの権威を強化するための社交辞令として多用する。どんな時代でも形を変えて生き延び、批判の声を華麗にかわす変幻自在の概念である。
パラダイム転換 - ぱらだいむてんかん
パラダイム転換とは、古い理論や価値観を破壊したと自称する瞬間の美名である。起業家や学者が都合の悪い失敗を覆い隠し、あたかも新たな啓示を得たかのように振る舞うための方便でもある。実際には単なるスローガン以上の意味を持たず、会議室の空気を入れ替えるだけで済むことがほとんどだ。企業の決算報告書や学会の要旨には欠かせないフレーズとして、安っぽいドラマのクライマックスを彷彿とさせる。変化を劇的に演出したい者にとっては、最も手軽で使い勝手の良い魔法の言葉だ。
パラドックス - ぱらどっくす
パラドックスとは、自らを否定しつつ核心を突く思考の蟠り。言葉の罠として提示され、人を混乱という牢獄に招き入れる。理性という名の刃で切り裂かれながら、なぜか残る真実がある。解消すれば消え失せる運命を背負いながら、問い続けなければならない悲劇的な宿命。人類はその無限ループに魅了され、苦悶の表情を刻み続ける。
パラレルポリアモリー - ぱられるぽりあもりー
パラレルポリアモリーとは、複数の恋愛関係を敵対関係ではなく同等に並列させる高度なストレス分散装置である。他人の独占欲を尊重しつつ、自分の承認欲求だけは忘れない。まるで共有リソースのように愛情を均等配分し、不公平という悪夢を回避しようとする実験的社会実践だが、実際には嫉妬の延々たるバランスゲームにほかならない。
バランス - ばらんす
バランスとは、重さを均等に分けるという約束を装いつつ、実際には不安定さを目くらましする囮である。多くの人はバランスを取ることで安全地帯を求めるが、結果として新たな歪みを生む。かつて正義を示した天秤は、今や優雅なパフォーマンスの道具へと格下げされた。対称性の虚しさに気づいたとき、誰もが均衡という名の幻想に踊らされていることを思い知る。
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