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改憲条項 - かいけんじょうこう

改憲条項とは、憲法をそっと切り貼りできる魔改造キットのこと。現職の権力者が朝ごはんのように気軽に配合を変え、統治のレシピを劇的にスパイスアップする楽しみを提供する。台詞は立憲だが、その実態は自家製クーデターの種。使用例: 議員Aは「国民の声だ」と叫びつつ、自身の任期延長を主軸とする改憲条項を添付した。

外国人嫌悪 - がいこくじんけんお

外国人嫌悪とは、自らを安心の城壁に閉じこめ、外の世界からの風を恐れる高貴な芸術である。他者への恐怖を美徳とし、未知を排除することで自らの居場所を保証する儀式である。しばしば安全と秩序を掲げつつ、実際は自己の不安と無知を守るための最終兵器として機能する。蔓延すると社会の多様性は鳴りを潜め、みなが同じ意見を共有するだけの恐怖と単調の堂々たる共演が始まる。

感謝 - かんしゃ

感謝とは、他者の好意を差し引きなしに受け入れると称しつつ、実は暗黙の借用書を胸にしまい込む儀式である。多くの場合はお世辞と同義語として使われ、真心はどこかに置き忘れられる。社交辞令としての効果は絶大だが、その裏には返済義務という名の負荷が潜む。真に感謝する術を知る者は少なく、それを語るほどに借りは膨らむ。

監査 - かんさ

監査とは、帳簿という名の迷宮を徘徊し、不正の化けの皮を剥がすと称しつつ、実際には書類の端をひたすら眺める儀式である。経営陣は数字の舞踏会を披露し、監査人はそれをエンターテインメントショーの審査員のごとく眺める。問題が見つかれば声高に指摘し、見逃せば誰も責任を取らない安全地帯を築く。監査報告書は、読まれることなくキャビネットの奥深く眠り続ける契約書である。こうして企業は「透明性」を演出し、「安心」を販売し続ける。

貴族政治 - きぞくせいじ

貴族政治とは血筋と財産というパスポートを持つ者が、公共の利益という名の仮面をつけて特権を独占する仕組みである。平等と自由の美辞麗句を掲げながら、実際には市民の声を金色の格子の向こうに追いやる。理想論に酔いしれる紳士淑女たちが、陰で政策を密室製造する舞台装置とも言える。

起床 - きしょう

起床とは、ベッドという名の安住の地から追放される儀式。早朝の静寂を破り、社会という迷宮への扉を開く行為とも言える。人類最大の悪習である「残業」の前哨戦を告げるベルのようなもので、布団への未練をあらわにする瞬間である。毎日繰り返されるこの苦行が、我々の自由意志と睡眠欲の脆弱さを映し出している。

議席配分 - ぎせきはいぶん

議席配分とは、民意と地理的バイアスをミキサーにかけ、見た目だけの公平感をブレンドした政治のマジックショー。少数派には『比例の餌』を少し与えて黙らせ、多数派には『特権席』をちらつかせる絶妙なジャグリング。法の平等を声高に叫びながら、計算式の中でこっそり既得権益を温存する仕組み。議席配分ほど、数学が権力の隠れ身道具になる瞬間はない。使用例: 与党議員が一票の格差を嘆きつつ、自党に都合よい基準を提案した。

空撮 - くうさつ

空撮とは、意思を持たぬ金属片に命を吹き込み、人間の欲望を映し出す現代の魔術である。誰かの承認欲求を満たすために上空から写し取り、真実のかけらは捨て去られる。美しい風景も汚れた路地も、ドラマチックな絵面に仕立てるためのただの素材に過ぎない。手軽さゆえに乱用され、本来の視点は“空”よりも狭くなるのが皮肉。使い手が忘れた地平線はどこにあるのか、誰もが知らない。

軍拡競争 - ぐんかくきょうそう

軍拡競争, n. 自国の安全を声高に主張するために、ひたすら武器を積み上げる行為。だがその一つひとつが隣国にも同じ主張を模倣させる運動会の合図となる。安全を願うはずが互いの恐怖を増幅し、最終的に誰も勝者になれない壮大な茶番劇。

軍備 - ぐんび

軍備とは、国家が戦いごっこで最も派手なオモチャを並べ、自分たちだけにしか引けない引き金を自慢する遊園地のアトラクションである。安全を確保すると称しつつ、隣国には観賞用の砲台を山ほど送りつけ、夜も眠れないマットレスを提供する。本当の敵は武器そのものがもたらす不安と虚栄であり、あらゆる合意書はそれを隠すための小細工に過ぎない。兵器の数が増えるほど、誰かの未来は確実に削り取られていく。戦争を防ぐために用意された装備が、まるで戦争を待ち望む舞台装置のように勃興する様は、現代の悲喜劇と言えるだろう。

軍備管理 - ぐんびかんり

軍備管理とは、国々が互いの武器庫を覗き込みながら、平和を祈る演劇だ。それは信用の証明書を交換する儀式であり、同時に次の競争の布石でもある。条約は紙の背骨を持つ怪物であり、署名すれば安心するが、破られれば紙くずに還る。理想と現実の間を渡り歩く滑稽な綱渡りと言えるだろう。

嫌気性消化 - けんきせいしょう

嫌気性消化とは、酸素嫌いの微生物に、退屈なゴミを食べさせ、かわりにハイオク価のバイオガスを吐き出させる環境保全のふりをした産業ボランティアである。微生物はまるで金のなる木を摘むかのように有機廃棄物をむさぼり、その努力は電気や肥料としてありがたがられる。しかし、その背後には大規模プラントのコスト・臭気・管理の地獄が待ち受ける。誰もが『クリーン』と呼ぶが、実際には機械と人員と税金のクリーンナップショーに他ならない。資源循環の美名は、しばしばリアルなにおいとトラブルを隠蔽するためのマスキングテープとして機能する。
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