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#スローガン

YOLO - よーろー

YOLOとは、「You Only Live Once(一度きりの人生)」の略称を盾に、無謀な行動を美化する現代の呪文。自己反省や計画性を放棄し、その場の衝動こそが真の価値であると宣言する。皮肉にも、多くの場合その瞬間はSNSに晒され、後悔と称賛が同時に舞い降りる。完璧な言い訳は、その一言がすべての責任を洗い流す特権を持つからだ。

クレド - くれど

クレドとは、企業の精神を壁に貼り出し、無責任な自己肯定を華やかに演出する魔法の言葉。内容よりも体裁が重視されるが、社員はその存在すら忘れがちである。会議資料の冒頭に鎮座しつつも、実際の行動基準としてはほとんど機能しないことが多い。理念だけは完璧な姿を保ち、実践は常に一歩遅れる。経営陣の良心を慰め、社員の自己満足をくすぐる、紙一枚の聖句である。

ビジョン - びじょん

ビジョンとは、企業の未来を彩る魔法の言葉。社長がステーキを口に運びながら語るほど価値が上がる。具体策よりもポスター映えを優先し、実行段階では誰の目にも見えなくなる透明な看板。理想を掲げるほど現実は濃く薄まり、社員のモチベーションはスローガンの連呼で代替される。最後には、誰も内容を覚えていない雄大な構想だけが静かに残る。

公約 - こうやく

公約とは選挙前に多くの期待と無責任を同時に装填する魔法の言葉である。現実の重力を忘れさせ、一時の高揚を演出しつつ、実現のための責任は宙に浮く。政治家はこれを振りかざし、聴衆はその甘い響きに酔いしれる。だが投票日を過ぎれば、公約は霧散し、次の選挙まで冷蔵庫の奥深く眠る運命にある。つまり公約とは「未来への保証書」ではなく「過去への言い訳」を印刷した紙切れなのだ。

未来ビジョン - みらいびじょん

未来ビジョンとは、曖昧な未来への期待を企業が都合よく詰め込んだ、聞こえのいい空箱のこと。実行期限も責任者も曖昧なまま掲げられ、会議室のホワイトボードの片隅で終わるのが常だ。未来を語るほど、現在の問題は棚上げされ、語られなくなるという民主的な暴力装置でもある。壮大な言葉を並べた後には、いつの間にか投資家へのお伺いを立てる雑務に戻っていくのが人間味あふれる風景だ。

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