辛辞苑
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#ヒップホップ
ターンテーブリズム - たーんてーぶりずむ
ターンテーブリズムとは、回転するアナログ盤を指先で往復させることを高尚なる音楽表現と呼ぶ儀式である。稚拙なノイズとスクラッチ音を、まるで啓示のごとく掲げ、観客はそれを称賛の拍手と解釈する。新自由主義的自己表現として掲げられたレコードの擦り切れは、芸術への執着と消費の矛盾を映し出す鏡だ。DJは回し、世間は回される。
ビートメイキング - びーとめいきんぐ
ビートメイキングとは、無味乾燥な時間をサンプリングし、ループという名の牢獄に閉じ込めた後、その残響を金儲けという祭壇に捧げる芸術行為である。ひらめきの閃光と傲慢な自己満足の狭間で踊りながら、結果的に誰かの再生ボタンを押させる魔術師でもある。市場原理の鼓動に合わせて BPM を操る職人は、称賛と批判を同時に生み出す二重奏を演奏する。最終的には「トラックが売れた」「契約がした」「フォロワーが増えた」という結果が、賛美の証と揶揄の標的を兼ねる。
ブレイクビーツ - ぶれいくびーつ
ブレイクビーツとは、過去のレコードから断片的に切り出されたドラムパートを、延々とループさせる行為と、その結果生まれる音響的迷宮のこと。踊りたいのか、ただ音に溺れたいのか、リスナーの判断能力を曖昧にし、フロアをトランス化させる魔性のリズム。かつては黒人音楽文化のアドバンテージだったドラムブレイクを、適当にリミックスして新鮮ぶるファッションの象徴。技術と職業倫理を超えたサンプリング暴力とも言うべき、過去の芸術を引きずり回す現代の祭典。しかめっ面でも踊らずにはいられない、ミュージックシーンの皮肉たっぷりの使者である。
ラップ - らっぷ
ラップとは、ビートにのせて自己陶酔をリズムに乗せ、自分をヒーローにも悪役にも演じ分ける言葉遊び。語る者のプライドと虚栄心をストレートに鏡に映し出し、聴く者を熱狂と困惑の狭間で踊らせる。技巧を競う競技場であり、承認欲求がビーツの波に乗って暴走するカルト的儀式でもある。