ポスト世俗主義 - ぽすとせぞくしゅぎ
ポスト世俗主義とは、世俗化の先にまだ信仰や霊性的価値が残っていると信じ込み、社会に持ち帰ろうとする甘美な自己欺瞞の潮流である。公共圏の合理性と宗教的象徴の再導入を並行して祭り上げ、批判を逸らしつつ安心感を装う。皮肉なことに、無神論者と信者の両方を満足させる万能薬を目指しながら、自らの不確実性を隠蔽する装置に過ぎない。スローガンの響きとパフォーマンス性に頼りすぎるあまり、そこに実体的な信仰もない点は見事と言うほかない。結局は思考停止を美学とし、俗と聖を同時に歩み寄らせる不思議なエクササイズである。