辛辞苑
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#モラル
モラルパニック - もらるぱにっく
モラルパニックとは、善良な市民が世の中のモラルを守るという大義名分のもと、自らの恐怖心を誇示しあう社交の儀式である。誰かが異端を非難すれば、その声は拡声器となりやがて無関係な第三者をも巻き込む疫病となる。こうした集団的恐怖は一種の娯楽であり、「ニュース」という名のサーカスで演目として取り上げられる。最終的に残るのは、正義を求めたはずの人々の自己満足と、忘れ去られた問題の山だけだ。
悪 - あく
悪とは、自らを清廉と称しながら、他者の背徳を嘲笑し、陰では同じ愚行を繰り返す芸当である。人は悪を断罪することで自己の優位性を確認し、その隙をついて自らの内なる闇を育てる。善の名の下で行われる苛烈な非難は、しばしば更なる憎悪の種となり、連鎖反応を招く。互いの罪を数え上げる言葉遊びこそが、最も陰湿な悪行なのかもしれない。結局のところ、真の悪は他者を傷つける行為ではなく、自分自身の欺瞞に気づかぬことにある。
罪悪感 - ざいあくかん
罪悪感とは、過ちを犯した自分を無限ループに閉じ込める心のトラップ。良心という名のスピーカーが、胸の奥で遠慮なく騒ぎ立てる騒音公害。誰かの期待から外れた瞬間に生じる内省的フェスティバルとも言える。許しを請う前に、それ自体を楽しむ自虐的な感覚コレクター。逃げ場のない透明な檻の中で、自己嫌悪が優雅に踊る観客席を演出する。
徳目一覧 - とくもくいちらん
徳目一覧とは、道徳の棚卸しを装った見せかけの良心チェックリストである。列挙された言葉は、実行されることなく人々の罪悪感を刺激し続けるだけの装飾品に過ぎない。学校や宗教団体が無邪気に掲げるほど、実際には守られる確率がゼロに近い。人はそれを眺めることで自己陶酔に浸り、数分後には忘却の彼方へと放置する。さながら罪悪感のエアロビクスといった趣である。
倫理 - りんり
倫理とは、人々が自らの言行を律しつつ、他者を裁くための万能戒律集である。往々にして口先だけの誇り高い標語と、実際の行動を縛る鎖を同時に提供する矛盾装置である。美辞麗句の衣をまといながら、その実態は最も安易な良心チェック機能に過ぎない。社会秩序の名の下に押し付けられ、問答無用で自己満足と偽善の均衡を保つ仕組みでもある。
倫理 - りんり
倫理とは、集団の顔色をうかがいつつ自らの行動を正当化するための便利な魔術である。多くの場合、利益相反の現場ほど声高に唱えられ、肝心の実践は棚上げされる。道徳的優越感はコストを嫌い、しばしば必要最低限の遵守に留まる。説教役には重宝されるが、実践者には厳しい現実が待ち受ける。結局、倫理は最も声のでかい者の論理を装うだけの看板に過ぎない。