辛辞苑
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#危機
危機段階 - ききだんかい
危機段階とは、互いの絆を試す名目で突如出現するドラマの第一幕。コミュニケーションが壊れると同時に、謝罪拒否権を取得したような快感をもたらす。一方で、感情の砂場で延々と立往生し、脱出不能な鬱憤の迷路に放り込まれる。最後には、もはやこの演目を誰が脚本化しているのか分からなくなるのが醍醐味である。
緊急事態 - きんきゅうじたい
緊急事態とは、人々が普段のルーチンを放り出し、慌てふためくことを正当化するために呼び出す魔法の呪文である。安全神話の崩壊を華々しく宣言し、誰か他人の責任を探す口実を与えるパーティーの開幕合図として機能する。実際には自らの備え不足を覆い隠し、深呼吸よりもパニックの方が好まれる場面を演出する一本のブザーでもある。
信仰危機 - しんこうきき
信仰危機とは、かつて揺るがぬ砦と崇めた信念が、些細な疑問によって瓦解する瞬間を指す。人は安心と救いを求めながら、その土台の脆さに気づいたとたん、迷宮入りの苦悶に落ちる。自己肯定を高らかに唱えつつ、内面の不安に足をすくわれる精神的演芸。崩れた信念の瓦礫の上で、別の信条を探し求める螺旋階段をひたすら上る羽目になる。最終的には「本当に信じていたのか?」という問いだけが、静かに残される。
大恐慌 - だいきょうこう
大恐慌とは、富の幻想が一晩で瓦解し、財布の軽さが真実を叫ぶ歴史的事件である。一握りの投機家の夢が破れたとき、万民の愚行と政府の無策が舞台を飾る。株価はジェットコースターの如く急降下し、人々の貯蓄は砂の城のように消え失せる。混乱は社会の底流に蠢く不安を露わにし、後世に怯えと笑い話を同時に遺す。