辛辞苑
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#失業
失業 - しつぎょう
失業とは、収入という名の血液を失い、社会という身体から追い出された状態を指す。求職サイトを毎朝巡りながら、職歴と自尊心を同時に擦り減らす苦行である。転職活動はマラソンのように続き、ゴールはいつも雲の彼方にある。面接官の微笑みは希望の灯火か、それとも哀れみの炎か、判断がつかない。経済活動からの一時解放とも解釈できるが、雇用保険の振込日が近づくたびに現実が眉間を殴ってくる。
失業手当 - しつぎょうてあて
失業手当とは、仕事を失った者に国家が慈悲の名の下に配布する月例の小遣いである。申請手続きという名の迷宮をくぐり抜けて初めて、その有り難味を知ることができる。支給額は希望と現実が折り合った絶妙な水準に設定されており、希望をつなぐには心許なく、現実を受け入れるには十分すぎる。受給者は一時的な救済と自己肯定感の低下を同時に味わう特権を得る。労働市場という名の遊園地に再入場するまでの仮パスポートに過ぎない。
失業率 - しつぎょうりつ
失業率とは、政府が誇らしげに発表する統計の一つでありながら、実際には人々の絶望を映す鏡である。数値の改善は景気回復の証としてもてはやされるが、冷え切った家計にはまったく響かない。統計の向こう側で泣いている声は、いつも無視されている。
若年失業 - わかねんしつぎょう
若年失業とは、社会の組織図にポツンと空いた椅子で、誰にも座らせてもらえない若者たちの長い待合室。期待という名の履歴書を握りしめ、面接の戦場を漂う漂流者。政府の格差縮小ショーケースでは脇役にされ、支援制度のパレードでは見栄えの悪いオブジェと化す。求人情報は宝探しの地図、だが肝心の宝穴は見つからない。そんな彼らが知らず知らずに培うのは、忍耐と諦念という美徳。