辛辞苑
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#徒歩
徒歩 - とほ
徒歩とは、最も原始的かつ無料の移動手段として称賛されながら、実際には時間と労力という高価な代償を要求する儀式である。一歩ごとに文明の便益からほんの少しずつ剥ぎ取られ、己の怠惰と対話する場となる。健康志向を口実に、誰もが一度は足を向けながらも、信号と坂道の前では謙虚さを思い出す。便利な乗り物を選ぶ勇気のない者が、自己満足と罪悪感を交互に味わう時間。都市の景色を五感で味わうと言うが、その本質は自己限定のツアーに過ぎない。
徒歩移動 - とほいどう
徒歩移動とは、重力と己の意志の狭間で自らの二本の足を駆使して地形を攻略する、もっとも原始的かつエコロジカルな移動手段である。人類は便利さを追求しながらも、時折この苦行を繰り返すことで健康と文明の矛盾を思い知らされる。ペダルもエンジンもないのに、延々と歩き続けるのは、消費社会への抵抗なのかセルフ・サディズムなのか定かではない。歩みを止めればすぐに日常の便利さが牙を剥くため、われわれは常に砂上の楼閣を築くかのように足を運び続ける。