辛辞苑
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#循環
リン循環 - りんじゅんかん
リン循環とは、土と水を舞台にリンという元素が躍る地球規模の化学ショーである。人間は農業の肥やしと称して工業肥料を撒き散らすが、結局は水辺を青緑の瘴気で飾り立てることを忘れない。学者は複雑なモデルでこの動きを追跡し、一般人には何の意味もないグラフを作成しては論文にまとめる。自然はお行儀よく循環しているように見せかけつつ、最終的には人類の短絡的欲望のツケを容赦なく突きつける。
景気循環 - けいきじゅんかん
景気循環とは、経済が好況と不況を繰り返す、まるで感情の起伏を持った巨大企業の心拍のようなものだ。好調期には膨れ上がった期待と投資が舞い踊り、不調期には縮小と悲観が街角で居座る。政府と中央銀行はマラソンランナーさながらに政策という水を撒きながら、なんとかゴールへたどり着こうと足掻く。だが結局のところ、誰もそのリズムを完全には制御できず、踊らされるのは常に民衆だけである。
再生 - さいせい
再生とは、過去の過ちを絢爛に飾り直し、誰もその傷跡を覚えていない間に再び同じ罠へと誘う祝祭である。その華やかさに心奪われた者は、つい新鮮な驚きと称えてしまう。実態は、忘却のベールをまとった永遠の輪廻であり、名前ばかりが変わる詐術の一種に過ぎない。哲学的に言えば、《繰り返し》こそ唯一の不変の法則だが、それを美徳と呼ぶのは困難である。
窒素循環 - ちっそじゅんかん
大気中という無限の倉庫から地上の農場へと旅し、植物の肥料となったかと思えば、微生物の手を借りて再びガスに戻る。まるで地球規模のメリーゴーラウンドで、窒素は脇役以上、主役未満の永遠のセカンドギャグ担当。生態系を支えるにも関わらず、人間には「勝手に動いてくれ」としか扱われない悲しき縁の下の力持ち。土壌から大気へ、そしてまた土壌へと回る様は、地球の自己満足的なリサイクル儀式と言えなくもない。
動脈 - どうみゃく
動脈とは、まるで生存の保証を運ぶ赤いハイウェイである。休むことなく拍動し続け、その停止は瞬時に全てを終焉させる。誰もが普段は存在を忘れ、異変が起きればあたかも最悪の裏切り者のように非難する。けれど、血行を支配するその粋な姿は、まさに体内の専制君主。生きるためには、怒らせず手綱を巧みに握るしかないのだ。