辛辞苑
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#悲しみ
哀歌 - あいか
哀歌とは、失われたものへの敬意を示すために紡がれる、涙のしずくで書かれた詩の一種。たいていは追悼者の自己陶酔具合を示す証拠としても用いられ、その深さは悲しみの量よりも詠む人の注目欲求で測られる。悲哀の響きは、心の隙間を埋めるどころか、その空洞を逆に際立たせる役目も果たす。時に宗教的荘厳さをまといながら、その実、悼む人々の罪悪感と怠惰を隠す口実に過ぎない。いつか慰めを求めて声高に歌い、その後は同じ韻を繰り返し忘却という名の永眠へと誘われる。
深い悲しみ - ふかいかなしみ
深い悲しみは、失ったものを数えるたびに増殖する無限のゲームである。心の中の空席を埋めるために人は過去の影に延々と投資し続ける。時にそれは自己愛の誇示となり、他者への同情を偽装する演劇へと昇華する。悲しみはどこまでも重く、しかし間違いなく人間らしさの保証書でもある。唯一の救いは、それを笑いに変えられる者だけが手にする特権かもしれない。
喪 - も
喪とは、大切な何かを失ったときに社会から課された公式行事兼自己顕示欲の舞台。涙で記憶を洗い流すと言いつつ、親戚一同へのSNS報告を怠れない儀式である。敬遠したい気持ちを抑え、黒い服で身を包みつつ、実は内心で誰かの慰めを待ちわびている、皮肉な感情の祭典。