辛辞苑
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インフルエンザ - いんふるえんざ
インフルエンザとは、冬季に人の忍耐力と職場の有給消化率を同時に試すためにやって来る病原ウイルスの祝祭である。せっせとマスクと手洗いの礼拝を要求し、咳と発熱という二重奏で体力と信用を奪い去る。症状が治まれば忘れ去られ、流行語のように語られた脅威はいとも簡単に風化する。人々は予防接種というお守りを頼みにしつつも、毎年同じ劇場を観客席から他人事のように眺める。世話になる前に怯え、治癒を喜びつつも再訪の予告に背筋が寒くなる、医学と社会の絶妙な共犯関係の産物である。
ウイルス - ういるす
ウイルスとは、自らの存在意義を宿主の細胞に託し、見えない忍び足で世界をパトロールする微小な寄生者である。時に風邪からパンデミックまで、その行動範囲はまるで無料の航空チケットを手にした放浪者のよう。宿主が苦しめば苦しむほど、その使命感は増す、自己犠牲の美学に殉じる偉大なテロリスト。人類が抗体という名の兵器を開発すればするほど、ウイルスは進化を謳歌し、新たな城壁破りを計画する愉快犯だ。