辛辞苑
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#春
春の大掃除 - はるのおおそうじ
春の大掃除とは、冬の怠惰と後回しの証拠を一網打尽にする祭典である。人は休日を犠牲にし、押入れの闇から古い言い訳を掘り起こし、思い出とともに捨てることで心の浄化を図る。ホコリの舞う空間は、新たな自己へのリセットボタンなのかもしれない。とはいえ、数日後にはまた同じ汚れに囲まれていることを、誰も口にしない。掃除用具を手にした瞬間、人は清潔ではなく罪悪感から逃れたいだけなのだ。
復活祭 - ふっかつさい
キリスト教徒が一度死んだとされる人物を試験的に起こしてみる春の儀式。その名の通り“復活”を祝いつつ、実際のところは毎年同じパフォーマンスを繰り返す口実に過ぎない。卵を染め直し、ウサギを駆り立てて童心を忘れた大人を動員するのも伝統の一部。信仰の名の下に甘いお菓子を配り合い、罪の免除を売買する市場である。やがては忘れ去られた神話のリフレインを、皆で楽しげに再演するだけの、奇妙な社会実験だ。