辛辞苑
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#概念
パラダイム転換 - ぱらだいむてんかん
パラダイム転換とは、古い理論や価値観を破壊したと自称する瞬間の美名である。起業家や学者が都合の悪い失敗を覆い隠し、あたかも新たな啓示を得たかのように振る舞うための方便でもある。実際には単なるスローガン以上の意味を持たず、会議室の空気を入れ替えるだけで済むことがほとんどだ。企業の決算報告書や学会の要旨には欠かせないフレーズとして、安っぽいドラマのクライマックスを彷彿とさせる。変化を劇的に演出したい者にとっては、最も手軽で使い勝手の良い魔法の言葉だ。
ミュトス - みゅとす
ミュトスとは、人が自ら作り上げた物語の仮面であり、現実の苦味を甘美な幻想に変える古代の心理操作装置である。社会の基盤を支える神聖なる嘘として崇められ、疑問を抱く者には砂糖漬けの説教が振る舞われる。時に共同体の団結を演出し、また時に権力者の正当化に利用される。解体すればただの紙とインクの集合体だが、その威力はマス目の上の泥と同じくらい重い。結局のところ、ミュトスは現実の不都合を覆い隠し続ける万能のカモフラージュである。
メシア的時間 - めしあてきじかん
メシア的時間とは、終末や救済を待ち望む人々の大義名分を盾に、現実の締切や責任を巧妙に先延ばしにする時間感覚である。高尚な宗教語彙を借りつつ、実体は会議延期とプロジェクト放置の常套手段。神の到来を予言しながら、自らの行動計画は一切更新しないパラドックスを内包している。何事も未完了のまま奇跡だけが期待される、いわば万能の猶予装置だ。信じる者ほど締切に追われる現実から自由になれないという、救いようのないアイロニーを孕んでいる。
リンボ - りんぼ
リンボとは、〈天国にも地獄にも行き場を失った魂が彷徨う仮設倉庫である。救済の約束も罰の恐怖も与えず、ひたすら停滞だけを余儀なくされる永遠の待合室。または、神々が暇潰しに生み出した運命の陥穽。誰も訪れず、誰も去らないその地は、無関心という名の最も深い罰。
ロゴス - ろごす
言葉を宿した理性という名の小道具で、世界を説明するふりをする演劇。ロゴスとは、真理の仮面を被った説得の道具であり、聞く者は探究を装い、語る者は知性を装う。合言葉のように唱えられる「ロジック」は、裏で不条理をやんわりと包み隠すラッピングペーパーだ。結論が求められるほど、言葉の丈はやたらに長くなり、最後に残るのは言葉の殻ばかり。虚無を隠すための意味の装飾、それがロゴスの本質である。
ロゴス - ろごす
ロゴスとは、会議室の片隅でひっそりと呟かれる万能の正当化装置である。どんな矛盾も一言で論理化され、当事者は無自覚にその虜となる。説得力とは名ばかりのマジックワードであり、経営層は安心して矛盾に蓋をする。最後に笑うのは最も上手にロゴスを使いこなした者である。
ロゴス・スペルマティコス - ろごす すぺるまてぃこす
種を蒔くと称しながら、その実、実りは他者任せにする古代哲学の巧妙な逃げ口上。万物に理性を注入するといいつつ、具体的な面倒は一切見ないという究極の責任回避術である。思索という農園で、自らは土にまみれず、ただ高みに君臨する。聞こえは崇高だが、実は無責任な概念の王者。
悪 - あく
悪とは、自らを清廉と称しながら、他者の背徳を嘲笑し、陰では同じ愚行を繰り返す芸当である。人は悪を断罪することで自己の優位性を確認し、その隙をついて自らの内なる闇を育てる。善の名の下で行われる苛烈な非難は、しばしば更なる憎悪の種となり、連鎖反応を招く。互いの罪を数え上げる言葉遊びこそが、最も陰湿な悪行なのかもしれない。結局のところ、真の悪は他者を傷つける行為ではなく、自分自身の欺瞞に気づかぬことにある。
意味生成 - いみせいせい
意味生成とは、無意味を回避するために人間が編み出した知的遊戯。まるで雑然とした事実の寄せ集めに、後付けの意味という魔除けを施す儀式である。発表直後は深遠な理論の香り漂うが、実態は誰かが詩的に着飾ったただの思考のたらい回し。流行るほどにその空虚さは露呈し、俗人は口を開けば意味生成の水増しに余念がない。究極的には、『意味生成』とは自分に都合の良い物語を編集する作業と何ら変わらないのだ。
異質性 - いしつせい
異質性とは、他者が己と異なることを指すとされる概念だが、実際には自己顕示欲を満たすための観賞用標本ともいえる。違いを称揚しながら、自らの優位性を確かめ直す一石二鳥の精神的遊戯である。他者の文化を理解しようと見せかけて、その実、他人の違いを自分の消費物として味わっているに過ぎない。結論として、異質性とは共感の仮面をかぶった自己中心的鑑賞趣味である。
永遠 - えいえん
永遠とは、祭壇に供えられた約束が果てることなく燃え続ける炎のこと。誰もがその価値を説くが、具体的に手に取る者は一人もいない。過去と未来の狭間に取り残された待ちぼうけのように、時間の片隅で不平を漏らす。永遠を語る者は、いつの間にかその真意を見失い、同じ言葉を繰り返すしかなくなる。結局のところ、永遠は存在しないことを、存在しない方法で証明してくれる偉大な嘘だ。
永劫回帰 - えいごうかいき
永劫回帰とは、時間という名のジェットコースターから降りることを許されない苦行。人生は毎回新鮮に始まると信じたいが、実際には同じ駒を何度も動かされるだけ。悔い改める暇もなく、また新たに始まる無限のデスマーチ。逃げ場のないループを詩的に語ると哲学者のご馳走になるが、実際は飽きと絶望の豪華な盛り合わせだ。
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