辛辞苑
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#気候変動
GHGインベントリ - じーえいちじーいんべんとり
GHGインベントリとは、企業が地球の悲鳴を数字に置き換える自己満足用チェックリストである。発表される度に、誰もが責任を感じるフリをしつつ、実際に何かが変わることは稀である。透明性をうたいつつ、裏では計算式と会議室の煙がもくもくと漂う。最も静かに、しかし確実に地球の息苦しさを記録し続ける、皮肉なエコロジカル日誌である。
IPCC - あいぴーしーしー
IPCCとは、気候変動という地球規模の劇場で脚本家と演出家を兼ねる国連の集まり。科学的データを積み上げつつ、政治的体面を気にして結論をほどよく緩和する技法に長けている。将来の破滅と希望を同じ文書に共存させ、読者の罪悪感と安堵を同時に引き出す。その真の目的は、会議の延長と報告書の分厚さで活動の正当性を無限に担保することである。
カーボンリーケージ - かーぼんりーけーじ
カーボンリーケージとは、脱炭素対策を声高に叫びながらも、自国の企業を別の国へ誘致し、排出量をそっと移し替えるエコロジー界のチェスの一手である。気候正義を説く間に、煙突の位置を変えるだけで何事もなかったかのように振る舞える巧妙な詭弁。二酸化炭素の逃げ場を探すほどの想像力があるなら、地球を守る方法もひねり出せそうなものだが、残念ながらその発想は露ほども出てこない。カーボンプライシングの抜け穴を駆使し、環境への責任をパズルのように組み替え続ける、奇妙で便利な環境戦略にして逃げ道である。気付けば、削減目標は達成されたが、排出量はただ別の船に詰め替えられただけという、皮肉な勝利を演出する。
カーボンオフセット - かーぼんおふせっと
カーボンオフセットとは、自らの環境負荷を他人のプロジェクトという名の免罪符で帳消しにする行為である。企業や個人は高額な証書を購入し、遠い国の森が守られるという夢を抱きながら、目には見えない排出量を無かったことにする。正当化のためのエコロジカルなゲームとも言え、紙とデータが増えるほど罪悪感は薄れていく。実際の削減努力よりも、数値の綺麗さを優先する新時代の環境ビジネスといえる。空気を金で買い取る、もっとも現代的な贖罪と言ってよいだろう。
カーボンニュートラル - かーぼんにゅーとらる
カーボンニュートラルとは、排出した二酸化炭素と吸収した二酸化炭素を紙の上で相殺し、倫理的な免罪符を手に入れる最新の流行語である。多くの企業が華々しい宣言をする一方、実際には排出を減らすよりも排出権取引で数字を搾り出す態度を優先する。耳障りの良いスローガンとして利用され、問題の根本解決は後回しにされる。環境保護の名目で行われる会議やレポートは、真面目な顔をした演劇にほかならない。結局、本物の緑は誰かの報告書の中でしか生きていない。
カーボンバジェット - かーぼんばじぇっと
カーボンバジェットとは、気候変動対策のために「これ以上排出してはならない炭素量」を数値化した理想郷の数値目標。人類が未来のために割り当てられた排出枠を守ろうと叫ぶ一方、実際には会議室で豪華ランチを楽しみながら次のスライドを作る皮肉なゲームのルール。数値が示す厳しい現実と、経済成長という名の名目との板挟みで踊る現代文明の真実を映し出す鏡である。
カーボン植民地主義 - かーぼんしょくみんちしゅぎ
カーボン植民地主義とは、二酸化炭素排出権という名の旗を掲げて、発展途上国と大地とを新たな搾取の市場に変える近代的帝国主義の一形態である。排出量を分割し、売買し、植民地的コストで利益を抽出するシステムは、地球の皮膚を金融化しつつある。温室効果ガスを「資源」と呼び換え、人類の未来を抵当に入れるロジックこそが、その冷徹な鏡写しの真理である。気候正義を謳いながらも気候不正義を輸出し、炭素信用を得るために貧困地帯を温暖化の実験場に変える。結局、温暖化対策の名のもとに、新たな植民地経済圏が出現しただけのことである。
エコロジカルデット - えころじかるでっと
エコロジカルデットとは、目に見えない借金を地球に積み重ねる新時代の贅沢。企業はCO2排出をカーボンオフセットで相殺した気になり、個人は飛行機旅行で未来口座に過剰引き出しを繰り返す。長期的には支払期限のない請求書が山となり、結局は未来の世代に全額を転嫁するだけの仕組みだ。それでも「買い物が生態系を壊すなら将来誰かが払ってくれる」と信じ込む万能パスである。
ノーネットロス - のーねっとろす
ノーネットロスとは、自然の喪失をゼロにするという理想を掲げながら、その達成要件を数字合わせのオフセットに丸投げする現代の錦の御旗。大規模な伐採を行い、その代わりにプランテーションを植えることで“損失はなかった”という魔法の算数を可能にする。定義の曖昧さと便宜主義が巧みに隠れる仕組みで、真の再生よりも文書上の無傷を優先する薄氷の平和条約とも言える。そこでは減ったものと同等の何かを補えば許されるという、自然をモノ扱いする冷淡な契約が締結される。実際の生態系には適用されず、政策文書と報告書を満たすためのエクササイズにとどまる哀れな幻影だ。
オフセッティング - おふせってぃんぐ
オフセッティングとは、企業や個人が排出したCO2を他所で相殺しようとする、現代のエココンシャスごっこ。どこか遠い森の木を伐採しないだけで、自分の煙突から噴き出す汚染は帳消しにしたつもりになる便利な魔法。気候変動の真の解決策よりも、クレジット市場での派手な数字が好まれる世の中をあざ笑う。
ネガティブエミッション - ねがてぃぶえみっしょん
大気中の二酸化炭素を捕まえて感謝されるどころか、計算上の善行に変えて水増しする現代の錬金術。排出を相殺するという名目のもと、誰かの罪を紙面上で消し去る。実態はコスト高の箱庭であり、未来への借金を隠すためのごまかし。カーボンニュートラルという美名の影で、われわれは空気を売買し続ける。だが結局、目の前の煙を消し去るだけで、炎だけが元気に燃え盛っている。
ネットゼロ - ねっとぜろ
ネットゼロとは、排出したCO2と同量をどこかで帳尻合わせし、数字上だけ地球を救った気になる現代の魔法の儀式である。企業や政府は華麗なスライドとレポートでその達成を祝うが、実際には見えない概念によるゲームに興じているに過ぎない。達成の日には、未来の安全が保証されたかのように振る舞うが、空気を使ったビーカーにすぎない。さあ、誰よりも早くネットゼロを掲げ、誰よりも甘美な約束を交わせ。
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