辛辞苑
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#沈黙
クエーカー会 - くえーかーかい
クエーカー会とは、礼拝堂で黙祷を競い合うことを公認した集会である。参加者は一言も発せず、心の中で長文マニフェストを繰り広げることが許される。誰かが発言を始めた瞬間、それは最も高尚な主張として扱われ、その後再び沈黙の儀式に逆戻りする。沈黙の時間が長ければ長いほど、祈りの深さが測られるという、実に乾いた精神スポーツのような趣がある。また、最後まで黙り続けた者だけが真の悟りに近づいたとされるが、そもそも発言しないことこそが会の趣旨であるという自己矛盾を抱えている。
休符 - きゅうふ
休符とは、音楽の世界における無言の支配者であり、演奏者の呼吸を司る瞬間の暴君である。空白の秒数が長いほど、演奏者の精神が試される。だが、その沈黙が物悲しさや緊張感を生み出し、音への渇望を高める。休符こそが音の劇的な効果を引き立てる影の立役者である。
沈黙 - ちんもく
沈黙とは、言葉を拒絶することで最も雄弁になる行為である。真実を覆い隠し、不安を増幅させ、社会という舞台のビロードの口枷として機能する。どんな絶叫よりも大きな意味を読み取るため、観客を不安という劇場に引きずり込む。沈黙を崇める者は、やがてそれが慈悲か裁きか分からぬ気まぐれな神であることを知る。会議室でも寝室でも、その重い礼服は喋りたい全ての者の舌にのしかかる。
沈黙 - ちんもく
沈黙とは、言葉を封印したまま響き続ける一種の大演説である。会話の隙間を埋めるどころか、むしろ底なしの溝を生み出す。時に深い理解を示すかのように振る舞い、別の瞬間には最も冷酷な拒絶を投げつける。言い訳も言葉も拒む、人間関係の万能鍵にもなりうるし、最大の障壁にもなる摩訶不思議な存在。