サーモスタット - さーもすたっと
サーモスタットとは、人間の「ちょうどいい温度」という不可能な共通認識を実現しようと悪戦苦闘する機械である。設定温度に達すると冷房や暖房を止め、少し外れると再び暴走し、室内を冷凍庫にもサウナにも変貌させる。ユーザーは快適さを求めて設定をいじり、機械はそれを享受せず、永遠のいたちごっこが続く。エコや省エネといった高尚な理念の名の下、電源を切り忘れたまま無情な稼働を続けることも多い。最終的に、真に制御されているのは我々ではなく、室温をもとに判断するこの小さな気候の独裁者である。