辛辞苑
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#炭水化物
パン - ぱん
パンとは、水と生地という名の無味が奇跡的に変貌し、一時の満腹と罪悪感を同時に提供する主食の仮面。焼きたての香りは慰めを装いながら、やがて口中に存在意義の欠乏を知らせる。冷めると急に無口になる、その裏切りの早さは社会の無常さを体現している。手軽さを謳う一方で、油脂と糖分の影に隠れた健康リスクをそっと囁きかける。朝食からおやつまで、私たちの怠惰を甘やかす万能の道具である。
炭水化物 - たんすいかぶつ
炭水化物とは、口に運ばれるや否や幸福ホルモンと罪悪感を同時に放出する、食卓の劇場の主演俳優である。多くのダイエット本は裏切り者と呼ぶ一方で、その甘美な誘惑に抗えない我々の意志の弱さを炙り出す血も涙もない鑑定士でもある。適量ならエネルギー源、過剰なら体脂肪の貯蔵庫として働く、その二重人格ぶりには思わず拍手を送りたくなる。
麺 - めん
麺とは、熱湯に投げ込まれることで初めて真価を発揮する、茹で上げ型の炭水化物芸術品。すすり音という文化的儀礼を伴いながら、一瞬のうちに胃袋を満たす救急食だ。だが放置すれば自己主張を捨て、ただのベタつく物体に成り下がる悲哀を併せ持つ。安さと手軽さで私たちを誘惑しながら、その実、時間との緻密な駆け引きを強いるタイムボムでもある。最終的にはソースかスープの支持率によって評価される、流動的かつ移ろいやすい存在である。