産後 - さんご
産後とは、出産という大仕事を終えたはずの身体に突然押し寄せる、疲労と責任のダブルパンチを指す言葉である。赤子の睡眠時間に合わせて生活リズムは崩壊し、『休息』という概念は浦島現象のように遠ざかる。会話のほとんどはオムツ交換か母乳授乳のスケジュール管理に費やされ、脳細胞数は出産と同時に一部散逸したかのように感じられる。産後を経た母親は、自身の存在意義を『昨日の自分』という過去との比較の中にのみ見出す鏡のような視線に晒される。真の休息は次の出産の予定日まで待つしかない、まさに生存の祝祭と苦痛の共存である。