辛辞苑
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#疑念
異説 - いせつ
異説とは、主流の声に背を向け、真実と称する泥の中を喜々として泳ぐ思想の遊牧民である。しばしば正統を語りつつも、結論は毎度あいまいなまま塗り替えられる。批判を免罪符とし、疑いを盾にすることで自身の存在を保証する。結局は、権威の耳穴をかすめるささやきに過ぎない。
懐疑主義 - かいぎしゅぎ
懐疑主義とは、信念を検証の名の下に引きずり回し、最終的に何も決めずに立ち去る趣味である。あらゆる確信は疑いの犠牲となり、知識は不信の救世主として讃えられる。果てしない問いの迷宮をさまよい、自分自身すら疑うことを至上の美徳とする。
信仰危機 - しんこうきき
信仰危機とは、かつて揺るがぬ砦と崇めた信念が、些細な疑問によって瓦解する瞬間を指す。人は安心と救いを求めながら、その土台の脆さに気づいたとたん、迷宮入りの苦悶に落ちる。自己肯定を高らかに唱えつつ、内面の不安に足をすくわれる精神的演芸。崩れた信念の瓦礫の上で、別の信条を探し求める螺旋階段をひたすら上る羽目になる。最終的には「本当に信じていたのか?」という問いだけが、静かに残される。