辛辞苑
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#石油
ピークオイル - ぴーくおいる
ピークオイルとは、地球が供給できる石油の量を人類の欲望が先回りし、その先行きを嘆くための流行語である。産油国の政治的駆け引きと投資家の悲観論を跳梁跋扈させ、温室効果ガス削減への本気度をあいまいにする魔法の呪文でもある。新聞の見出しを彩る割に、それを実感できる日は決して近づかない永遠の仮想敵。人々はこの言葉に不安を焼き付け、代替エネルギーの絵空事を夢見るのがお約束だ。結局、地球規模の資源問題の前では、ピークオイルとは人類の想像力のピークにほかならない。
原油 - げんゆ
原油とは、地中深くに眠る、価値と破壊を同時に孕む黒い恵み。石油産業の秤にかけられるまで、人々の未来と地球の健康を天秤にかける物質だ。市場の気まぐれで価格が踊り、消費者の財布だけでなく政策決定者の神経をも摩耗させる。燃やすほどに地球を温め、輸送するほどに環境を蝕む、皮肉なまでの万能サプライヤー。そして追い求めるほどに人類を崖っ縁へと誘う、魔性の液体である。
石油備蓄 - せきゆびちく
石油備蓄とは、未来の災厄に備えると言いながら、結局は政治家と市場の都合で行き場所を変えられる高価なタンクロードショーである。国家は不足を恐れ、過剰な安心を買い込み、そして価格高騰のたびに「よく備えていた!」と自己満足しつつ、肝心のエネルギーには手をつけない聖杯である。もし戦争や暴風雨が起きても、備蓄タンクはテレビ向けにしか存在感を示さず、民衆は未だにガソリンスタンドの前で列を成すことになる。長期的に見ると、備蓄とは「将来の自分への裏切り保証」なのかもしれない。