辛辞苑
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#社交
葬式 - そうしき
葬式とは、故人を偲ぶと称しながら、残された者たちが集い、哀悼の意を装って血縁と地位を誇示し合う社交イベントである。白い喪服の行列は、死者への尊敬という名目の下、実は自己演出の場である。弔辞は愛情を語るふりをして、しばしば自らの演説能力を誇示するためのアドリブ大会となる。やがて訪れるのは、労力と費用に見合うほどの安らぎなどなく、ただ一抹の空虚感が残るのみである。
褒め言葉 - ほめことば
褒め言葉とは、他者の自尊心をなでつつも、その裏で何かを引き出すための甘い囁きである。それは一瞬の承認欲求を満たしつつ、同時に貸しを作らせる巧妙な交渉術でもある。心からの賞賛が稀有であるほど、お世辞の価格は上昇し、社交という名の市場で取引される。ほめる側は美徳を装い、ほめられる側は依頼を想定し、どちらも表面の言葉に踊らされる。
名刺 - めいし
名刺とは、社交という名の儀式における公式なパスポートであり、交換の瞬間だけ通用する紙片である。他人の前で自己を証明するツールとして振る舞いつつ、実際には役職と組織名をひけらかすための演出小道具に過ぎない。渡す側と受け取る側の間に静かな優越感と屈辱感を生み出し、交換後は机の上で埃をかぶるのが慣例である。パワーハラスメントと賞賛欲求の混合物が滲み出た、血も涙もない紙に他ならない。近代ビジネス社会では、言葉よりも重視されるほどの無言の権力象徴として君臨している。
友人 - ゆうじん
友人とは人生の舞台に配役された相手役。あなたの欠点を最大限に生かしつつ、タイミングよく思い出しては笑いものにする余興提供者。時に無償の慰めを装い、しかしその実、あなたの弱味を握る秘密保管庫でもある。義理と恩義のはざまで揺れ動き、いつしか利害の数学的妥協点を見出す存在だ。友情の美名のもとに結ばれた契約であり、最古のビジネスモデルと言っても過言ではない。
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