辛辞苑
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#社会
草の根動員 - くさのねどういん
草の根動員とは、市井の市民を熱心に見せかけるための上層部主催の寸劇である。参加者は自発的に集ったかのように演じられ、実際には用意されたシナリオに従うだけ。『民意』の皮を被った演出装置として機能し、選挙や支持率向上の隠れ蓑として酷使される。地域の商店街や公園は、そのステージに過ぎず、役者たちはポスター黎明のもと踊らされる。だが、誰が本当の主役かを問い始めると、草の根の概念はたちまち風前のともしびとなる。
多元論 - たげんろん
多元論とは、あらゆる価値観の共存を謳いながら、自らの正しさを最後まで手放さない宗教の一種だ。絶えず多様性を称賛しつつ、衝突すれば多数派の横暴を正当化する装置を起動する。討論会では「全員の声を尊重」と唱えながら、最終的に重視されるのはもっとも声の大きい者。理想と現実の狭間を往復しつつ、結局は誰かの独断が勝利する、混沌の儀式である。
多国間協定 - たこくかんきょうてい
多国間協定とは、異なる利害と秘密を抱えた国家が、紙に署名するという名のパフォーマンスを演じる舞台である。参加国は理想を掲げつつも、自国の利得を密かに種まきし、収穫はいつも独り占めを志向する。不履行の罰則とやらは、次のサミットでの冷たい視線を浴びるだけの風物詩に過ぎない。条文は山積みだが、実行は砂上の楼閣に等しく、合意はいつも未完の切り絵のようだ。まるで全員が信用を装いながら、互いの背中に短剣を隠し持つ紳士協定である。
多文化主義 - たぶんかしゅぎ
多文化主義とは、異なる文化を並べて展示しながら、実際には隣人の皿をひそかに覗き込む社交行事。国家や企業が“多様性”を掲げるたびに、自らの優位性を誇示する自己陶酔の舞台ともなる。理想的には文化の相互理解を促すというが、現実にはルールの押し付け合いと無味乾燥なチェックリストが横行する。多様性を称賛しながら、排除と囲い込みを巧妙に正当化する見事な二枚舌。最後には、誰もが平等を謳いながらも、自分だけは特権的に例外を主張するのがお約束である。
多様性 - たようせい
多様性とは、あらゆる違いを並べ立てて同時に称賛し、その瞬間だけ人類の進歩を感じさせる神聖なるバズワード。ちょうどよい混沌を装いながら、現実には表面的な彩りの裏で誰かを忘れ去る装置である。会議で繰り返し唱えられ、実践はおざなりにされることで安心感を与える、高度に洗練された社会的装飾品。
対反乱 - たいはんらん
対反乱とは、反政府的なざわめきを静めるための“平和的解決”と称された一連の儀式のこと。催涙弾やスローガン、そして統計の改ざんという名の魔法を駆使し、秩序という檻をあらたに築く。参加者は“平和を守る”と叫びながら、自らの声が封じられる滑稽な光景を演出する。最終的には誰もが、安全と称された抑圧から目を背け、現実を“大局的視野”に取り込んで正当化する社会的合意の祭典である。
代理戦争 - だいりせんそう
代理戦争とは、自ら血潮を流さず他国の兵士を借りて滲む惨劇を観戦し、自国の道徳的優位を保つ洗練された戦術である。遠隔地の火薬と砲声をテレビの画面越しに楽しむ一方、実戦の泥に靴底を濡らさぬ程の快適さを誇る。国益の名のもとに他者の犠牲を正当化し、市民には「平和のためだ」と嘯くのがお約束。最も評価されるべきは、死角から行われる狡猾な駆け引きと、無垢な犠牲を散らす手際の良さだ。
脱植民地化 - だつしょくみんちか
脱植民地化とは、長らく続いた外部支配からの解放を謳う言葉である。とはいえ、その実態は新たな経済的制約と多国籍勢力への服従の招待状だ。過去の鎖を断つと宣言しながらも、別の鎖をあえて編み上げるイロニーに満ちている。国家の自主性という神話の名の下に行われる再版権売買と化しがちである。
単一支払 - たんいつしはらい
単一支払とは、医療費の支払いを一つの大きな財布(通常は政府)が一手に引き受け、国民は安心感と税負担の現実を同時に味わうシステムである。理念では皆が平等に受診できる理想郷を約束しつつ、実際には待ち時間と予算削減という名の試練を与える。請求書を気にせず受診できるはずなのに、後ろめたさは一向に消えず、パンチカードのような税明細だけが増殖していく。医療資源の配分を「公正さ」の名の下に一元管理しながら、個々のニーズには不可欠な柔軟性をしばしば忘れる。患者も医師も官僚も、みな同じ財布から金を引き出すために列をなす、終わりなき共演者である。
団体交渉 - だんたいこうしょう
団体交渉とは、労働者が集まって権力を持たない側の思いを叫び、権力を持つ側が渋々耳を傾ける儀式である。互いの譲歩とは、実際には小さな駆け引きの駆け引きに過ぎず、真の勝利者はそもそも交渉テーブルを支配する者である。労使双方がテーブルを叩くたびに、権力バランスの幻想が一瞬浮かび上がり、すぐに霧散する様は、現代労働世界の縮図と言えよう。
弾劾 - だんがい
国家の最高責任者を法の審判台に引きずり出す、権力闘争の華やかな演芸。名誉や信頼を剥奪する儀式でありながら、実際には有権者への見せ物となる政治的ショーでもある。その過程で飛び交う非難の大砲は、しばしば正義よりも野心を狙う。勝者の宣伝材料、敗者の汚名回避劇として使い分けられ、結末は多くの場合、国民の疲労感という幕引きである。
知人 - ちじん
知人とは、交差点で笑顔を交わしながらも、本当の住所とプライバシーは永遠に謎に包まれた人々の集団である。会話の端々に漂う他人行儀な親しみと、心の奥にひそむ本音の間で微妙なバランスを保つ社交遊戯。その存在は、友人でも他人でもないグレーゾーンの住人であり、やはり面倒なことこの上ない。
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