移行リスク - いこうりすく
移行リスクとは、脱炭素の名目で未来の損失を今の企業と投資家に押しつける魔法の言葉である。その響きは環境配慮の錦旗を掲げながら、実際には資産価値の地雷原を避ける口実となる。往々にして規制の一歩手前で売上を確保し、気候変動への本気の覚悟を先送りするための便利な言葉でしかない。投資家はこのリスクを盾にして、資金を安全地帯へと退避させる一方で、温室効果ガスは黙々と増え続ける。結局のところ、移行リスクは未来の負債を語る言葉なのに、語る者自身の懐は一向に痛まないという皮肉を含む。