辛辞苑
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#筋肉
たんぱく質 - たんぱくしつ
たんぱく質とは、生命の基礎とされながらも、SNS上では魔法のサプリ呼ばわりされる万能薬。毎食意識して摂取しなければと焦らせ、プロテインシェイク一杯で罪悪感を払拭させる商業的マジックを兼ね備えている。筋肉増強のスター俳優でありつつ、過剰摂取の恐怖を脅し文句のニュースキャスターも兼ねる。体内で分解されるたびに、健康への信仰を試す存在だ。最後に残るのは、自分の食卓とサプリメント棚に対する疑問だけである。
ボディビル - ぼでぃびる
ボディビルとは、鉄の棒を挙げることで自尊心を補強し、ミラーの前で彫刻のような己を眺めるスポーツである。汗と痛みを通じて筋肉の肥大を競い、他者の視線を肥やしながら自己愛を飼いならす儀式。努力の結晶たる肉体は称賛を呼ぶが、往々にして鏡に映るのは虚飾に塗れた自己像。その真価を問う者は少なく、ただポージングとプロテインを賞賛する讃美歌が響き渡る舞台だ。
筋肉 - きんにく
筋肉とは、あなたの『休みたい』という本能を無視し、重い物を運ぶために自らを痛めつける組織である。外見的には美の象徴とされるが、実態は数え切れないほどの微細な断裂と修復の連鎖に過ぎない。努力と苦痛の証として讃えられるが、そのほとんどは自己満足と他者への見せびらかしのために費やされる。筋肉は、人が自分を動かす自由と、自由から逃れた痛みに同時に縛られた存在である。
腱 - けん
腱とは骨と筋肉の間で無限の労働を強いられる繊維の束。引っ張られ、引き伸ばされ、痛みの限界に達すると悲鳴も上げる。日常の激しい動作にはほとんど感謝されず、異変が起きれば真っ先に切り札(湿布とアイシング)の出番となる。何の気兼ねもなく酷使され、メンテナンスの欠落が招く腱鞘炎という永遠の悲劇を演出する、身体の裏方である。