絞り - しぼり
絞りとは、カメラレンズに設けられた光の入り口を調整する装置であると豪語しながら、撮り手の手ブレや天候におののきながら裏切る小悪魔のような機構である。数値が小さくなればなるほど明るさを確保すると自信満々に宣言しつつも、被写界深度という名の魔境を一瞬で変化させる。逆に数値を上げれば隅々までクリアにすると豪語しながらも、暗さを言い訳にISOとシャッタースピードの調整バトルを開演させる。初心者は絞りをいじることで一攫千金のプロ気分を味わい、上級者はその気まぐれな変化に翻弄され続ける。結局、絞りの最適解は現像ソフトかSNSのフィルターに委ねられ、真実は闇の中に葬られる。