辛辞苑
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#聖書学
形態批評 - けいたいひひょう
形態批評とは、文書の体裁という化粧を剥ぎ取り、その下に潜む歴史の影を白日の下に晒す学者の趣味である。客観的分析という看板を掲げつつ、実際には古びた写本を前に背筋がゾクゾクする快感を正当化するための学術的メタ劇の一幕に過ぎない。形式を解体すれば真実が見えるという信仰は、自らが解体者でもあり信徒でもあるという自己欺瞞にほかならない。
正典批評 - せいてんひひょう
正典批評とは、聖なる書物を埃だらけの書棚から引きずり出し、伝承の積み重ねを骨の髄まで解体してみせる行為である。信仰を育むはずの物語は、あろうことか写し間違いや権力闘争の爪痕として再構成される。聖典を崇める者は、自分が読んできた文章こそが『真実』だと信じて疑わないが、正典批評はそんな勘違いを容赦なく打ち砕く。長年積み重ねられてきた権威のテントは、ミクロの誤植ひとつで瓦解する。探究者は、聖性の仮面の下に渦巻く人間の欲望と偏見をくまなく覗き見る。