辛辞苑
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#脳科学
オキシトシン - おきしとしん
オキシトシンとは、愛情や信頼を演出するために脳で分泌される化学物質。恋人同士が手をつなぎながら「これが私の感情です」と主張する媒体のようなものだ。母親と赤ん坊の絆を美談に仕立て上げ、人類の連帯感を科学的に裏付けるプロパガンダ役者でもある。その実態は、触れ合いと称して広範な社会的操作をおこなう、分泌型フェイクニュース。
セロトニン増 - せろとにんぞう
セロトニン増とは、幸福の扉と称される脳内化学物質を増強しようとする行為である。SNSや自己啓発書に踊らされ、誰もが一度は試し挫折する流行ワードとなった。実際には散歩ひとつ、チョコひとかけらで満足を感じようとする、極めて頼りない安定装置にすぎない。科学的根拠よりも口コミの威力が勝り、「今日こそセロトニン増!」という自己暗示が日常を支配する。結局は不安という燃料を必要とする、幸福マシンの典型例である。
レム睡眠 - れむすいみん
レム睡眠とは、脳が夢のプレゼン大会を開くために身体を騙して休ませる時間帯のこと。目は閉じても脳はむしろ活動的になり、演劇のような幻覚シナリオを無限に再生する。無意識の会議中に身体は静止しているが、心はパラドックスを遊び回っている。朝になればその記録はほとんど忘却の彼方へ飛び去り、無傷に見えるのが唯一の証拠だ。
神経神学 - しんけいしんがく
神経神学とは、脳をスキャンしながら祈りの効果を測定しようとする学問である。信仰と灰色の脳細胞を同列に語り、科学の威光で宗教を正当化する。瞑想中のα波を「神の声」と呼び、研究費を巡る神聖なる争いが繰り広げられる。結局は、信仰者の体温と研究者の想像力が微妙に混ざり合っただけの産物である。科学と宗教の蜜月を標榜しつつ、どちらにも属さない境界線上でひそやかに消費される。