自己性 - じこせい
自己性とは、「自分は他人とは違う唯一無二」などと高らかに宣言しつつ、実際には他者の評価という見えない鎖に縛られている精神の揺籃である。他人との比較で成り立つアイデンティティという絶え間ない投影装置であり、鏡に映る虚像を追いかける迷路とも言える。存在意義を問いながらも、SNSの“いいね”数に一喜一憂する姿は、自己性そのもののパロディーにほかならない。高尚な自己探求の旅は、気づけば他人の承認欲求という飲み会にすり替わっていることが多い。矛盾と揶揄に満ちた精神の玩具箱、それが自己性である。