辛辞苑
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#記憶
フラッシュバック - ふらっしゅばっく
フラッシュバックとは、過去の嫌な記憶を予告なしで上映する心のミニシアターである。感情のカンフル剤を自称しながら、当人を瞬時に泥沼へと逆戻りさせる。無差別な再上映はまるで謝罪のない無料上映会。安心と思いきや、いつの間にか傷口をえぐられ、不意打ちのリプレイは快楽と苦痛の境界線を曖昧にする。心の劇場には休憩時間などなく、終演のアナウンスも存在しない。
間隔反復 - かんかくはんぷく
学習者の自尊心を鞭打ちながら、忘れては思い出すという苦行を間隔を空けて繰り返す魔の装置。数分後には再び忘れるという脳への挑戦状とともに、自己啓発系のアプリやセミナーを支配する万能戦略。効率と称しつつ、記憶の崩壊予備軍を量産し、学習者を永遠のフラッシュカードループに閉じ込める。忘却と再認の迷宮をこじ開ける鍵を握ると豪語しながら、実際には適度な挫折感と支配欲だけを提供する優雅な拷問具である。
思い出ボックス - おもいでぼっくす
思い出ボックスとは、過去のあれこれを詰め込むという口実のもと自己陶酔を促す箱。開けば埃とともに未解決の感傷が顔を出し、そっと蓋を閉じても心の奥底でくすぶり続ける。大切な思い出を後生大事に保管することで、少しだけ未来への一歩を先延ばしにできる魔法のアイテム。本来なら手放すことで前進できるはずの記憶を、頑固に固定化する最後の砦。それは過去という名の牢獄を美化する装置でもある。