辛辞苑
ホーム
タグ
カテゴリー
このページについて
ja
#超自然
ダイモーン - だいもーん
ダイモーンとは、古代ギリシア語で「ある種の精神」を指し、他人や自分の行動に難癖をつけて責任転嫁を助長する幻の伴侶である。しばしば内面の声と称され、あらゆる言い訳と自己正当化を司る役割を担う。君が怠惰を正当化しようとする瞬間、ダイモーンはそっと肩を叩き、その理由をもっともらしく囁く。存在しないことは自明だが、その影響力は驚くほど現実的だ。
チャネリング - ちゃねりんぐ
チャネリングとは、誰か(多くは見えない誰か)にメッセージを求める行為。耳を澄まし、宇宙や死者や猫の霊に意見を伺い、現実逃避の一環として正当化される。自らの判断を放棄し、たまに予言のつづれ織りを披露しては会場を静かにさせる不思議な儀式。信じるほどに責任は軽くなり、疑うほどにコーヒーテーブルの怪しい本が増えていく。また、会議で最も無責任な提案者を演じる秀逸な手法でもある。
悪魔学 - あくまがく
悪魔学とは、悪魔という得体の知れない隣人を、いかに分類し、解説しようと努力する学問。実際には疑問符だらけの定義を黒魔術で塗り固めた、幻想諸学のひとつである。古来より学者は『悪魔』の陰に隠れ、自らの意思から逃れようとしてきた。噂を集め、誇張し、他人の恐怖心の残滓を教材にする点では優れたホラー文学の教師とも言える。結局のところ、悪魔学の真髄は、対象を定義できないことを永遠に自明とするパラドックスにある。
超自然主義 - ちょうしぜんしゅぎ
超自然主義とは、観察可能な証拠を棚上げし、証明できない奇跡にすがりつつ、自らの不安を壮大な宇宙劇に翻案する信仰の趣向。理性を厄介者として追い出し、論理の舞台に幽霊や神を招待するパーティーである。万物に神秘を宿らせることで、説明責任を他者から逃れる知的詐術。実験という鎖を解き放ち、信念という炎に揺れる思想の炎上イベント。最終的には、人間の無力感を隠すための最大級のマジックトリックに他ならない。
霊の識別 - れいのしきべつ
霊の識別とは、超自然界の住人と戦う勇敢な槍…のふりをした、言い訳製造機である。聖者も詐欺師も、この魔法の言葉を使えば善悪の基準を瞬時に塗り替えられる。悪霊を見抜く名目で他人を糾弾するたび、後ろめたさは神聖化されていく。時には「これは悪霊の仕業だ」と叫ぶだけで、面倒事から華麗に逃げ出せる。最終的に一番必要なのは、自分の都合の良さを信じる心である。
霊的戦い - れいてきたたたかい
霊的戦いとは、形而上学の舞台で目に見えぬ悪霊を追い払うという大義名分のもと、結局は自身の不安と葛藤を壇上に引きずり出す祝祭である。信者は奇跡を呪文にすがりつつ、最後には神の名の下に互いを陥れるポーカーの手札を増やしていく。神学者は論争の華麗なステップを踏み、霊能者は奇妙な舞を披露し、カトマンドゥの寺院とネットの掲示板が同じテンポで混乱を奏でる。聴衆は熱狂し、少なくとも日曜の説教だけは全員参加した気分を得る。