辛辞苑
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#酒
アルコール - あるこーる
アルコールとは、人類が快楽と苦痛から逃避を一挙に手に入れようと編み出した液体の発明品である。口に含めば精神の鎖が解かれると同時に、理性のレンガが崩れ落ちる。社会ではコミュニケーションの潤滑剤と称されるが、実際には記憶のレジンや人間関係の爆弾を仕込むこともしばしばである。痛みからの一時的な逃走を可能にし、同時にさらなる苦悶への片道切符を提供する妖精のような存在。飲む者の本音をあぶり出し、無限の言い訳と後悔を生産する工場でもある。
ウイスキー - ういすきー
ウイスキーとは、貴族気取りの気分を手軽に味わわせる液体の男爵領である。華やかな香りは自己陶酔という麻痺薬を静かに注入し、理性をたやすく解体する。その製造に伴う誇大宣伝と実際の深みとのギャップは、甘美な裏切りを孕む。夜の社交においては会話を一時的に高尚にし、翌朝には必ず乱れたベッドと後悔という泡を残す。結局、ウイスキーとは理性と後悔を同時に蒸留する透明な毒薬である。