辛辞苑
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アシッドジャズ - あしっどじゃず
アシッドジャズとは、過去の栄光と未来志向のビートがカクテルされた音楽的錬金術。スピーカーからは深刻なジャズの尊厳が漂うかと思いきや、実態は商業主義と雰囲気だけがフュージョンしたBGM。洗練を気取るほどに無味無臭になり、気付けばカフェやラウンジで無限ループの背景音として定着している。演奏者はソウルフルに身体を揺らしながら、聴衆はスマートフォンに没頭。何も考えずに流し聴くほど、人間関係を築かずに自己表現を果たした気になる魔法的装置だ。
ニュージャズ - にゅーじゃず
ニュージャズとは、既存のジャズの墓場から蘇った亡霊がエレクトロニカと踊る実験場。伝統派からすれば奇異な雑種と嘲笑され、流行の寵児からは一瞬で見捨てられる流浪の音楽。ダウンテンポのビートに心地よく揺れながらも、どこかで「本物のジャズとは何か」という問いが囁き続ける。DJブースとライブハウスの狭間でひっそりと生まれた、ジャンルのアイデンティティ不在を祝福するサプライズパーティー。聞く者を内省へ誘うと同時に、商業主義の葬式に帽子を投げ入れる、皮肉の塊だ。
ブルース - ぶるーす
ブルースとは、人生の底辺をスローブルースに乗せて商業化した感傷的デトックス剤。憂鬱を語りながらも、聴衆の懐具合を着実に軽くする趣味性溢れる悲哀産業。抑圧された魂の嘆きを即興という美辞麗句で包み、深刻さをエンターテインメントに変換する謎の芸術。悲しみの売買に至上の喜びを見出す、感情マネタイズの先駆者とも呼ぶべき怪物。