不可知論 - ふかちろん - 辛辞苑 - 悪魔の辞典のようなユーモアと風刺、皮肉がある辞書・百科大全

説明

不可知論とは、神の有無を問う前にあらゆる答えを保留する高等戦略であり、確信という煩わしい感情を知らない振りでかわす技術である。信じるでも否定するでもない姿勢を蔑まれつつ、自らの無知を誇る優雅な立場。理屈をこねることで、何も知らないことを巧妙に隠蔽する口実の宝庫だ。主張がないことを主張しつつ、議論の出口を永遠に閉ざす一閉鎖空間。そう、不可知論者とは「知らない」と吐けばひとまず勝ちの、真理の問いを凍結させる凍結魔である。

定義

神への肯定も否定もせず、知識そのものを棚上げにする合理的後回し戦略。
「わからない」と宣言することで、議論の出口を永久凍結させる口実工程。
確信を欠くことに誇りを持ち、自らの無知を高貴に装飾する姿勢。
問いの罠を見抜いた賢者の如き鈍感な懐疑の舞踏。
真理を追い続けつつ、回答を拒む自己完結型無限ループ。
証拠待ちを錦の御旗とし、永遠の保留を美徳とする信条。
信仰者にも否定者にも届かない、中立幻想の護送船団。
あらゆる神話にも科学にも荷担せず、無関与の棺桶で眠る立場。
結論を出さないことで、最も有効に避難する哲学的逃亡術。
「知る」より「知らない」を選ぶことで、答えの檻を自ら閉じる技術。

用例

「神様の存在？知らないし、興味もないんですけど、とりあえず保留で」
「宗教？聞いたことはあるけど、よくわかんないから参加しないな」
「信じるかどうかは未定です。でも議論ならいつでもウェルカム」
「証拠を見せてくれたら考えるけど、今のところ休暇中ってことで」
「僕の立場？『わからない』っていう立場だよ。究極でしょ？」
「不確実性こそが最大の安心材料なのですよ、ふふ」
「有神論者も無神論者も一周まわって同じ穴の狢、そう思わない？」
「結論？永久保留ですよ。プロとして」
「真理？そんなものあったら悩まないよね」
「証拠待ちの列に並んでる最中です。テーマは宇宙から神まで」
「完全にわからないから、どちらかに肩入れする気はないな」
「信仰の話？あとで調べときます。今は他の疑問が山積みで」
「僕は不可知論。でも、面白そうだから議論には参加する」
「答えを出すのは面倒くさい。だから未定義の称号を得たわけで」
「神のありか？GPSでもつけてくれない限り無理ですね」
「論争に勝つ？わからないから賭けない」
「真実の追究？今のところエビデンス不足で中断中です」
「十字架の前でも否定も肯定もしません。とりあえずお祈りだけは止めますけど」
「神の声？留守電になってるみたいで聞こえないんだよね」
「わからない」を極めた者が、時に最も賢そうに見えるものだ

語り

不可知論者は、問いの終着点を拒み、議論を永遠の迷路へと誘う案内人である。
神への疑問を胸に秘めながら、答えを探すことすら面倒だと呟く。
真理の探求よりも、探求を先延ばしにする快楽を追い求める。
証拠を求める度に、新たな疑問が次々に湧き上がる無限ループ。
単なる疑問が、いつしか独自の信仰儀式となる奇妙な現象。
不確かさをチケットに、議論のコンサートは今日も開演する。
一歩も踏み出さずに結論を望む、究極の怠惰な哲学者の姿。
『わからない』という言葉は、最も強力な盾となりえる。
曖昧さの海に漂う者は、指摘される心配もない自由を得る。
全知の可能性を拒絶し、未知の背後に身を潜める謎の住人。
議論の終点を見失い、彷徨い続ける思索の遊牧民。
確証を求める旅は、不可知論者にとって不毛の放浪にすぎない。
信仰者と反論者の狭間で、宙ぶらりんの祝祭が開かれる。
不在証明を追いかける者は、答えの影の狩人となる。
熟慮すればするほど、答えは遠ざかる逆説の魔法。
問いかける者に栄誉はなく、問い残す者に皮肉な勝利が訪れる。
宗教論争の宴で、乾杯すべき相手はいつしか自分自身だと気付く。
一度でも結論を口にすれば、そこが彷徨の終点となる。
懐疑の仮面の下に、安らぎを棄てた魂が眠る。
議論は続く、答えは来ず、ただ不可知論者の笑みだけが増える。

不可知論 - ふかちろん

説明

定義

用例

語り

関連語

別名称

同義語

キーワード

アニミズム - あにみずむ

価値論 - かちろん

禅 - ぜん